金曜の夕方。ENTJ のあなたは、今夜の予定をずっと前から狙っていた。 ただの飲みじゃない。相手は、これから動かしたい話の鍵を握る人物だ。やっとスケジュールが合って、一対一で話せる。ENTJ にとってこれは「会食」というより、はっきりと一手だった。 準備にも抜かりはない。相手が今何に興味を持ち、何を仕掛けているかを、ひと通り頭に入れた。今夜どこまで踏み込むか、話の運び方も三通り用意した。手土産も、ただ高いものではなく、相手の趣味にぴたりと刺さるものを選んだ。 もちろん、楽しみではある。でも ENTJ の「楽しい」は、いつも「前に進む」とくっついている。中身のない雑談だけで終わる夜は、正直、ちょっと苦痛だ。 仕事を切り上げ、ENTJ は予約した店の方角を頭に描きながら、駅へ向かっていた。今夜うまくいけば、来月の動きが一気に変わる。そういう手応えがあった。 中身のある夜。前に進む夜。ENTJ がいちばん「いい夜だ」と感じるのはそういう夜だった。




