金曜の夕方。ISTJ のあなたは、今夜の集まりをひと月前から楽しみにしていた。 集まりといっても、派手なものじゃない。月に一度、いつもの顔ぶれで、いつもの店の、いつもの席につく。頼むものも、話すこともだいたい同じだ。——でも ISTJ にとっては、その「変わらなさ」こそがごちそうだ。 何年も続いてきた集まりだ。引っ越しや転職でメンバーが減っても、この日だけはなんとなく続いている。毎月この日にこれがある、とわかっていること。それが ISTJ には、何より落ち着く。知らない人も、思いがけない展開も、別にいらない。 準備は、先月のうちから進んでいる。店の予約は前回の帰りぎわにもう取った。今日が定休日でないことも、ちゃんと確かめてある。前回の割り勘の金額はスマホのメモに残してあるから、今日はそれを見越して、お札を多めにくずしておいた。前に貸した本を返してもらう約束も、忘れないように書いてある。 ここまで段取りをそろえておけば、当日は安心して楽しめる。ISTJ にとっては、この準備も楽しみの一部なのだ。 一週間、まじめに働いた。その最後に、この夜がある。会社を定時で出た ISTJ は、家で着替えながら、よし、と小さくうなずいた。




