22 歳の春。同期 800 人が並ぶ入社式。 壇上の役員が「会社は家族だ」と話す横で、ENFJ のあなたは深くうなずきながら、隣でガチガチに緊張している同期に「大丈夫、終わったら一緒にお茶しよ」と耳打ちしていた。 配属は人事部。めずらしく希望どおりだった。人の成長に関われる場所がいい——その一心だった。 ただ、ENFJ にはひとつ厄介な癖がある。よかれと思って、つい人に踏み込みすぎてしまう。 新人研修では講師より先に同期のグループワークを仕切り、(あの子、意見あるのに言えてないな)と気づけば「さっきの案、すごくよくない?」と輪に引っ張り込む。聞いてもいないのに、同期の配属希望と不安を頭の中で勝手に一覧にしている。 「困ったらいつでも相談してね」と言いながら、相談される前にもうその子のために動く予定を空けている。 気づけば、メンターであるはずの五年上の先輩のほうが、ENFJ に愚痴をこぼしていた。面倒を見られる側のはずなのに。 25 歳。「サブリーダー、やってみない?」の打診が来た日、ENFJ は「やります!」と即答した。ついでに「もっと若手の育成に関わりたいんです」と、頼まれてもいない異動希望まで口にしていた。 この頃にはもう、会議室で課長の不機嫌と若手の沈黙を同時に翻訳できるようになっていた。




