22 歳の春。ENTP のあなたはシステム開発部に配属された。 最初の現場ですぐに頭角をあらわした。武器はアイデアの量。みんなが行き詰まった会議で、ENTP が「逆に、こうしたら面白くないですか?」と口を開くと、止まっていた空気がふっと動き出す。 新規プロジェクトのキックオフ資料を作らせたら、社内でいちばんかっこいい。なのに、その同じ人が翌週の議事録は三行で力尽きる。仕様書の細かい詰め、何度も繰り返すテスト、こまごました修正。そういう地道な作業になったとたん、ENTP の興味は潮が引くように消えていく。立ち上げは大好物。運用はちょっとした拷問だった。 会議では議論が決まりかけたまさにその瞬間に、いちばん楽しそうな顔で穴を掘り始める。「でも、逆に」。否定したいわけじゃない。叩いても壊れない結論だけが本物だと本気で思っている。ついでに半分は、議論というゲームそのものが楽しくて仕方ない。まわりはたまったものじゃない。 25 歳。同じ部署に三年いると、ENTP にはもう景色のぜんぶが見えていた。次に何が起きるか、誰が何を言うか。先が読めたとたん、世界は急につまらなくなる。 異動願いを何度も出した。新しい刺激と、対等に殴り合える相手を求めて、社内をふらふらとさまよい始めた。




