22 歳の春、同期 800 人が並ぶ入社式。 役員の挨拶のあいだ、緊張で固まる同期たちのなか、ESFP のあなたは、もう隣の席の子と笑い合っていた。「ねえ、この後の懇親会どこ座る?」。半日で同期の顔と名前を半分くらい覚えていた。 配属はプロダクト部。自社サービスを売り込む仕事だ。 ESFP はすぐに人気者になった。お客さんの前で、難しい資料はそっちのけ。「これ、毎朝の面倒がこれくらい減るんですよ」と、身振り手振りで実演してみせる。理屈じゃない。目の前の相手が「あ、楽しそう」と顔をほころばせる、その瞬間のために動いていた。 ただ、得意と苦手の差が激しかった。 お客さんの奥さんの誕生日は一回聞いただけで覚えているのに、自分の見積もりの提出日は毎回忘れる。会場の三百人の空気は一瞬で読めるのに、Excel の赤い文字だけはどうしても読めない。リスク管理表を開いた瞬間だけ、魂がすっとログアウトする。 「そういうの、あとでやります」。そう言って後回しにして、だいたいやらない。まわりがこっそり尻ぬぐいをしていた。 25 歳、「大きなイベント、任せてみようか」と声がかかった。 ESFP は目を輝かせた。「やります! ぜったい盛り上げます!」。 その言葉に嘘はなかった。「盛り上げる」さえすれば、あとは全部うまくいくと本気で信じていた。




