22 歳の春。同期 800 人が並ぶ入社式。 壇上の役員のあいさつを聞きながら、ESTJ のあなたは、もう頭の中で考えていた。「この式、10 分で終わらせれば、午後の研修が一コマ増えるのに」。 配属は、システム開発部。大きな案件を、納期までにきっちり仕上げる部署だ。 ESTJ は水を得た魚だった。やることが山ほどあって、締め切りがあって、段取りがものを言う。これ以上向いている場所はなかった。 ESTJ はすぐに頭角を現した。 止まっている案件を見つけると、誰がいつまでに何をやるか、その場で割り振って動かす。会議が長引けば「いったん議題に番号を振って、担当と期限を決めましょう」と巻き取る。 ところが、ESTJ にはひとつ、どうしても抑えられない癖があった。 人の段取りの悪さが、見ていられないのだ。 先輩が遠回りなやり方をしていると、つい「それ、こうしたほうが早いですよ」と口が出る。正しい。正しいんだけど、言われた先輩の顔は、たいてい、ちょっと固まっていた。 25 歳。「サブリーダー、やってみないか」と打診が来た。 ESTJ は即答で受けた。 人の上に立って、チーム全体の数字に責任を持つ。望むところだった。 同期のなかには「もっと自由な会社に行く」と飛び出していく人もいた。ESTJ には、その気持ちが正直よくわからなかった。 ——逃げ出すくらいなら、ここを自分の手で、もっとちゃんと回るようにすればいい。




