22 歳の春。同期 800 人が並ぶ入社式。 壇上のあいさつより、ISFJ のあなたが気にしていたのは、となりの席の同期が緊張で顔を真っ青にしていたことだった。気づけば、自分のハンカチを、そっと差し出していた。 配属は、人事部。社員の入退社や勤怠、福利厚生をあつかう、縁の下の部署だ。 花形ではない。でも ISFJ には、ぴったりだった。誰かが働きやすいように、見えないところを整える。それが、しっくりきた。 ISFJ はすぐ、いないと困る人になった。 会議があれば、頼まれる前に人数分の資料とお茶がもう並んでいる。誰かの体調が悪そうなら、机にそっと胃薬が置いてある。先輩の子どもの誕生日まで、なぜか覚えている。 そして、断るのがとにかく苦手だった。「これ、お願いできる?」と言われると、自分の仕事が山になっていても、つい「はい、大丈夫です」と言ってしまう。 気づけば定時はとっくに過ぎ、フロアにひとり、誰かの代わりの作業をしている。それでも、ISFJ はそんなに嫌じゃなかった。誰かの「ありがとう」が、ちゃんとごほうびだったから。 25 歳。「サブリーダー、やってみない?」と打診が来た。 ISFJ は少し考えて、辞退した。 前に立って指示をするより、みんなが困らないよう後ろで支えるほうが、ずっと自分らしい。 同期のなかには「合わない」と辞めていく人もいた。ISFJ は辞めなかった。ここには、自分を必要としてくれる人が、ちゃんといたから。




