20XX 年 X 月 X 日、火曜日の午前 7 時。 ENFP のあなたは、友達からの LINE 連打で目を覚ました。 「ねえねえ大変だよ!!」 「見てる??」 「やばいやばいやばい」 画面の中で、友達の絵文字だけが、妙に元気だった。 ENFP は、寝ぼけたままニュースを開いた。 渋谷の映像。走っている人。倒れている人。 3 秒で、だいたいの地獄が頭に入ってきた。 ふつうの人は、たぶん、ここで怖がる。 でも、ENFP の中に最初に上がってきたのは、別の感情だった。 「え。これって、まじでゾンビ?」 怖いより先に、「え、何が起きてるの?」の火花も混じってしまった。 そういう人なんだ、ENFP は。 世界がひっくり返ると、どこが壊れて、どこがまだ生きてるのかに、先に目が行ってしまう。 家を出るのは早かった。 向かった先は、中央高校体育館。 自治体放送が、避難所に指定していた場所。 体育館に着いてからの ENFP は、誰よりも動いた。 水を配って、泣いている子の隣に座って、揉めはじめた人と人のあいだに、ぽんと入っていく。 誰かが転んだら、いちばん早く駆け寄って、転んだことまで、笑い話に変えた。 第 7 日には、生存者の誰かが、ぽつりとこう言っていた。 「あの人がいなかったら、私たち、もっと早く、崩れてたかもしれない」。 ENFP 本人は、そんなふうに思われてるって、たぶん気づいてもいなかった。




