20XX 年 X 月 X 日、火曜日の朝。 INFJ のあなたは、天井をじっと見ていた。 何日も前から、ずっと嫌な夢を見ていた。 街の人がみんな同じ目をしてて、自分だけが違う方向を向いてる夢。 意味は分からなかった。 ただ、起きるたびに、胸の奥が冷たかった。 スマホの速報が鳴ったとき、INFJ は、目だけ動かして、天井を見つめたままだった。 「やっぱり、あの夢だった」 驚きはなかった。 「来てしまったか」、だった。 起き上がるのに、少し時間がかかった。 慌てる感じじゃない。 これから自分が見るものを、心のほうが先に知っていて、体だけがついていけてない感じ。 着替えながら、INFJ が最初に頭に浮かべたのは、自分のことじゃなかった。 お母さん、大丈夫かな。 ひとり暮らしの友達、起きてるかな。 夜勤明けの後輩、まだ寝てるな。 それと、最近メッセージが返ってこなくなっていた、あの子。 自分が怖いかどうかは、ぜんぶ、後回しだった。 本人は、それを「後回しにした」とすら、思っていなかった。 INFJ にとって、自分を後回しにするのは、息をするのと、たぶん、同じくらい自然なことだった。




