20XX 年 X 月 X 日。火曜日、お昼ごろ。 INTJ のあなたのスマホに、速報が飛び込んできた。 「東京、ゾンビ発生」。 ふつうの人なら、ここで、固まる。 INTJ は、ちがった。 画面を見て、小さくうなずいた。 「——やっぱり」。 その三日前。 INTJ は、ふたつの記事を読んでいた。 ひとつは、海外の小さな町で「正体不明の集団暴走」が起きた、という短い速報。 もうひとつは、宿主の神経をのっとる菌類について書かれた、研究論文の続報。 ふつうなら、別々に流れて終わるニュースだった。 でも、INTJ は、その二つの点を、線でつないだ。 出てきた答えは、ひとつだけだった。 「これは、来る」。 だから、INTJ が動きはじめたのは、速報の日じゃない。 その、三日前だった。 ビルの屋上を、一か所、選んだ。 水の引き方。燃料の置き場所。ゾンビが登ってこられない動線。 半年先まで、ぜんぶ、計算した。 速報が鳴ったとき、INTJ の屋上要塞は、もう、半分、できあがっていた。 これは、夢でも、ゲームでもない。 ただ、INTJ にとっては——予測どおりの、火曜日だった。




